検査と治療法

椎間板ヘルニアの診断における検査方法は数種類あります。すぐに行われるのが「X線検査」で、椎間板ヘルニアそのものはX線に写りませんが、脊椎の骨性変化を確認するのに利用されています。
最近多く利用されているのが「MRI」です。「MRI」はmagnetic resonance imagingの略で、核磁気共鳴画像法と訳されています。これは核磁気共鳴現象を利用した生体内部情報の画像化方法で、侵襲性が無くて、画像上でヘルニア形態を容易に把握できる点がメリットとされています。
「ミエログラフィー」は造影剤を硬膜内に注入して、その形状から神経の圧迫の状態を見る方法です。ただし最近では「MRI」が普及した関係で行われる頻度は減少しているようです。
「CT検査」はComputed Tomographyの略で、コンピュータ断層撮影と訳されています。これは放射線などを利用して物体を走査処理して、物体内部の画像を映す機器で、ミエログラフィーやディスコグラフィーと合わせて撮影することが多くなっています。
こうした検査を経てから治療に取り組むわけですが、椎間板ヘルニアでは無症状の場合もあり、その症状の度合いも各人いろいろですから、治療方法もいろいろとなっています。
基本的には保存療法が中心となっていますが、この治療法の中には鎮痛剤、牽引、温熱療法などが含まれ、他にも神経根ブロック、硬膜外ブロック等mp神経ブロック療法が適用されることもあります。
保存治療の基本としては、やはり安静にするということが第一で、場合によってはコルセットを装用して、腰の動きを制限することもあります。コルセットには軟性コルセットと硬性コルセットという2種類がありますが、一般的に広く使われているのは軟性の方で、これは弾力性のある素材でできているので日常生活に支障が出にくいのが特徴です。
症例が頑固な場合には神経ブロック療法を試みることになります。神経ブロックは、神経伝導路に、うすい局所麻酔剤を注入して痛みを取り、血流も改善して、腰痛を治すという治療法で、神経ブロックには、腰部硬膜外ブロック、神経根ブロック、分離部ブロック、椎間関節ブロックなどの種類があります。